卒業式は生徒にとって一生に1度の節目。卒業後2度と会わない生徒もいます。そんな生徒たちのために、何か形に残るものを作りたい、と、毎回卒業式前の2月はばたばたなのです。
するしないは、担任の先生によって異なります。義務付けられているわけでもない。正直折り合いの悪い生徒や保護者だっている。人間同士だからしょうがない。でも折角縁あって巡り合ったのだから、いい終わり方をしたい。
私が高3を受け持った時に最後にすることをシェアします。
準備するもの① クラスでの寄せ書き
必要なもの ①寄せ書きを書く用紙(B5)
②ラミネート用紙(B5)
③ラミネーター
卒業が近くなると、高3生の登校日は減ります。登校日の貴重なHRの時間に、予め計画的に寄せ書きをしてもらうのです。ラミネートされたものは、案外きれいな状態で手元に残るもの。私も大学時代のものがまだずっとあります。
寄せ書きは、
- 「仲の良いクラス」で且つ「作業時間がたっぷりある場合」・・・
個人からクラス全員に向けて、つまり、35人クラスなら各自が35回寄せ書きを各クラスメートに向けて書く。(35枚紙を用意して紙を回して書いてもらう。)
個人に向けての気持ちがこもっている分、もらってより嬉しいのはこっちかなー?
- 「ちょっと人間関係に不安がある場合」 もしくは 「時間があまりとれない場合」・・・
各自がクラス全体に向けて、1回書く。
その後、35枚にカラーコピーする。
どうしても全体的に内容がシンプル&単調にはなりがち。
※注意:なるべくカラフルに書くこと、自分の名前を記入すること、前者の場合はフリクション等の摩擦熱で文字が消えるペンを使わないこと(ラミネートの際に文字が消える→冷蔵庫など寒い場所に置くと文字が復活する。secret message感。)
というようにします。使う用紙は毎回同じ。一度作ってしまうと使い回せます。
準備するもの② 先生からクラスへのメッセージ
作成して、①の寄せ書きの裏に、一緒にラミネートします。
私はこれを、今年からcanvaというアプリでパソコンで作成しています。
このcanvaというアプリ、かなり優秀なんです。使ってびっくりしました。このブログのヘッダーの画像とロゴも、canvaで自作したものです。
無料素材がたっくさんあり、表示画面は編集もしやすく、こういったデザイン作成の経験がなくても、楽しく作れました。
ですがなにより、canvaの最高な点は、教員は無料で有料プランを使えること!!!
教員登録をしてedicationモードに変えるだけです。教員免許状の画像を送ったりアンケートに答えて半日くらい待つと、メールが届き、すぐに使用できます。
クラス向けの配布物なども、見違えるようにオシャレになりました。1から作るのは無理…!という人も、内蔵のテンプレートを編集する方法もあり、気軽にオシャレなものが作れます。
私の場合は、B5サイズ用紙に
上半分:事前にGoogleフォームで取ったアンケートの結果(クラスで1番〇〇といえば?)
真ん中:これから生きていくうえで覚えていてほしい名言
下半分:クラスの行事の時の写真
というふうに編集します。先に写真や使いたいスタンプを貼り付けると、自動でそれに合う色味をピックアップしてくれるという素晴らしい機能付きなので、用紙全体に統一感が出ます。
まあ、canvaなどで凝った編集をしなくとも、写真やイラストを切り貼りすれば十分素敵なものになります。私も前回までそうでした。ただ、無料でこれだけの機能が使えるのはお得感しかないので、気になる方がいればダウンロードだけしていても損はないかと。
準備するもの③ クラス向け 最後のHR用動画
私が1番気合を入れて、時間と労力をかけて取り組むのはこれです。
使う動画編集アプリは、使い慣れたものがあるのならそれで十分だと思いますが、私のおススメはこれ。
画像・動画・音楽・効果、すべての微調整や凝った工夫がやりやすいんです!
Filmoraは残念ながら定期購入コースに入る必要があります。(バージョンによっては買い切りもあり。)月単位と年単位と選べるので、私は卒業関連のことをする1か月間だけお金を払って使用することにしています。(無料版もありますが、勝手に透かしロゴが入ってしまいます。)とはいえ、こちらも「学生・教職員プラン」がありますので、比較的お得に使用することができます。
自分で素材を見つけてこなくても、元からたくさんの素材があり、自在に組み合わせられるのが魅力です。
2年間分(クラス用動画)と3年間分(学年用動画)を作ったことがありますが、クラス用は
前半:過去の写真の組み合わせ。
中盤:生徒たちに自ら撮ってもらった写真や動画を入れて日常風景を挟む。
後半:担任からのメッセージを写真とともに入れる。
最後:映画のエンドロール風に、クラス全員の名前を表示。(ぜっったいにミスのないように)
1番最後:「卒業おめでとう」の文字。
これで大体10分程度です。
音楽を入れて効果的に切り替えの編集をすると、途端に感動的になります。思い入れのあるクラスだから、作っているこっちが泣きそうになります。
10分程度で画像も音楽も入れまくって、効果も付けまくっても、500MG程度だったので、卒業時にデータを共有することもできると思います。
準備するもの④ クラス全員へのお手紙
これは渡す用ではなく、③の動画を流した後に朗読する用です。
私は口下手な方なので、生徒たちに向けて話したいことを漏れなく、分かりやすく伝える自信がありません。なので、事前に推敲に推敲を重ねたお手紙を、最後に読むのです。
個人的にはwordで作ると編集がしやすくてラクですが、最後あえて手書きにして、②の「先生からクラスへのメッセージ」に貼り付けるというのもアリかと思います。
みんなの前で朗読すると、ものすごく集中して真剣な顔で聞いてくれます。
この手紙を作る前に、③のクラス動画を作っておくと、クラスのこれまでの思い出が蘇って書きやすくなります。
まとめ
ここまで私のしている工夫を紹介してきましたが、要は気持ちが伝わるかだと思います。
『出逢えてよかったよ、これからも応援しているよ、1人1人をリスペクトしているよ』
こういう気持ちが伝われば、生徒は喜んでくれるし感動してくれます。
私自身が気持ちを収める、整理するきっかけにもなり、これでまた、次の学年に向けて切り替えられるようになります。
全国の3年生の担任を持つ先生が、いい卒業式を迎えられますように!
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